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生徒が主体的に学習を進める“現代版・寺子屋”


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あずさ塾 代表 飛田梓氏

創業年月 2010年4月 事業内容 小・中学生向け個別指導塾の経営
創業資金 350万円 従業者数 2人
URL http://www.azusajyuku.net/

事業概要

azusajyuku-2 京都市内の築70年の京町家を借りて、学習塾を経営しています。対象は小・中学生で、2~5教科の各コースや、公立の中高一貫校の受験指導を行うコースなどを設けています。
 当塾の特徴は、黒板を置かず、生徒がそれぞれの学習状況に応じたテキストで主体的に学習を進め、講師の私は各自の学習を全面的にサポートするという “現代版寺子屋”のようなスタイル。これにより、単に成績を上げるだけでなく、社会に出てからも役に立つ「本物の学力・能力」を身につけてもらいたいと考えて取り組んでいます。

創業の経緯

azusajyuku-3 私が学生の頃、両親が実家で副業的に学習塾経営を始めました。私はその創業にも関わり、学生時代から講師として手伝い始めたのです。卒業後もそのまま十数年間、働き続けました。そのプロセスで、一般的な学習塾の、黒板の前に先生が立って生徒に(手とり足とり)教えるというスタイルでは、教わる生徒側に主体的に勉強しようという意欲が生まれにくいのではないかとの問題意識を持ったのです。そこで、自分の理想とするスタイルでやってみようと、公共施設の会議室を借りて開業しました。とはいえ、まだまだ自信もなかったので、実家の塾の分校のような形でのスタートでした。
 自分一人しかいない小さな塾なので、「中学の定期テストの成績をアップさせます」というように対象を絞ってPRしたことが奏功したようで、初めから数名の生徒が来てくれました。

融資申し込みの経緯

azusajyuku-4  いつまでも会議室というわけにもいかないと、本格的な教室となる物件を探し始めました。また、教室の確保や机や椅子などの備品を揃えるための資金を調達するため、ひとまず日本政策金融公庫に足を運んでみたのです。公庫のことは、家業経営に少しは役に立てるかもしれないと京都市が開催していた起業塾に通っていた時に説明されたこともあり、以前から知っていました。しかし、正式な事業計画などを用意しておらず、自分の意識もまだ中途半端な状態でした。そこで、起業塾で指導してもらい、その後も事業計画づくりなどの指導を受けていた中小企業診断士の先生に相談すると、その先生が公庫に私のことを話してくれたのです。公庫での面談時には、事業計画などをきちんと説明することができ、申し込んだ250万円を満額、融資してもらうことができました。

融資をめぐるエピソード

 事業計画書は自分一人でできる範囲を意識して作成したので、結果的に無理のないものになったと思います。公庫の担当者からは「堅実な計画ですね」と評価してもらえました。
 事業計画書の作成を通じて、漠然としていた自分の考えを明確にすることができたと思います。実際の売上や利益などの数字を算出してみることで、「ここはもっとこうしていこう」といった具体的なプランに結びついていくというメリットがありましたね。

ビジネスの現状と展望

azusajyuku-5  2014年1月現在で生徒は約20名。自分1人で面倒を見るスケールとして適度であると思っています。ここまで来るには、コースのプランや授業内容などを、生徒の反応を見ながら試行錯誤して変えてきました。そして一番苦労したのは、当塾のコンセプトである、「講師が一方的に教えない」というスタイルを保護者に理解してもらうことです。見る人によっては「生徒をしっかりと指導していないのではないか?」と受け止められてしまうからです。しかし、保護者との面談を長い時は一人3~4時間も行うなど、じっくりコミュニケーションを取る中で理解してもらっていきました。こうしたことにより、当塾の評判が口コミで伝わり、現在の場所に移転してからは1回もチラシを打たずに済んでいます。
 2013年3月、第1回京都女性起業家賞というビジネスプランコンテストにおいて、「ワーキングマザーを支援する!『長時間預かり型の学習塾』」での特別賞(京都リビング新聞社賞)を受賞しました。この受賞で雇用助成金を得ることにつながり、1名を雇って学習塾と学童保育を兼ねたこの新規事業の開業準備を進めています。当面は、この新規事業を育てていくことが最大の課題ですね。

これから創業を目指す人へのメッセージ

 私は、起業塾や京都女性起業家賞、公庫といった公的な支援に背中を押される形で、少しずつ事業を広げてくることができました。こうした支援制度や支援機関はたくさんあると思いますので、積極的に利用するといいと思います。また、開業後、結婚・出産も経験しましたが、家族にも自分の事業を説明し、理解をしてもらうことで協力を得られていることや時間の使い方を工夫するなどして、何とかやってこられています。今、創業しようかどうか迷っている人は、思い切ってスタートしてみる気持ちを持つことも大切なのではないか、と思いますね。