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“粉体”の物性分析で、あらゆるメーカーの研究開発を支援


【株式会社ナノシーズ 代表取締役 島田泰拓氏】

創業年月/資本金 2005年6月/7,600万円 事業内容 粉体の物性分析に関する機器の開発・製造、受託測定
利用した融資制度 挑戦支援融資制度2,000万円 (2009年) 従業者数 10人
URL 052-848-6516

事業概要

医薬品、化粧品、洗濯洗剤、トナー、小麦粉……。私たちの身の回りには、粉状の製品がたくさんあります。当社は、このような”粉体”の物性を分析する機器の開発・製造や、粉体物性の受託測定などを手がけるベンチャー企業です。 私たちの身の回りには、医薬品や化粧品など紛体の製品がたくさんありますが、「粉末の洗濯洗剤が湿気で固まる」「インスタントコーヒーや粉ミルクが固まって計量しにくい」「パウダーファンデーションが肌に合わず違和感がある」など問題点を感じることが少なくありません。メーカーがそうした紛体の問題を分析し、解決策を導き出せるよう、当社は数ミクロンの紛体粒子の物性を高精度で測定する装置や測定データを提供しています。 この物性測定はあらゆる分野の製品開発に必要なものですが、大手企業の研究開発拠点でも研究が進んでいない特殊な分野です。こうした分野に特化した受託測定を行う会社は、おそらく当社が日本唯一と自負しています。当社の取引先は、精密機器、食品、医薬品、化粧品、製鉄、金属、自動車など様々な業種の大手メーカーなど200社以上に及んでいます。

創業の経緯

創業前、私は独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)で粉体物性の研究に携わっていました。私の研究グループが測定装置を開発したところ、民間企業から多くの引き合いが寄せられました。モノづくりが好きで、常々「研究だけでなく研究成果を実際に製品化してユーザーに喜んでもらいたい」と考えていた私は、創業しその開発した技術を事業化することを決意しました。 創業資金は、親族や知人の協力を得て1,200万円を用意しました。 事業化にあたり、産総研の技術移転を受けて測定装置を製品化し、その販売および受託測定からスタートしました。それに加えて、事業拠点についても産総研の協力を得て、産総研中部センター(名古屋市守山区)の建物内に設けることができました。

融資申し込みの経緯

産総研のバックアップが大きな信用力となり、創業直後から比較的順調なスタートを切ることができました。徐々にスタッフを増やし、自主開発による製品ラインナップを広げていきました。 しかし、数千万円もの開発費用が必要であったり、あるいは急にまとまった資金が必要になったりするという局面がありました。事業資金は、基本的に収益でまかなう方針だったのですが、必要に応じて銀行などから融資を受け、常に手持ち資金を確保するよう努めていました。 創業から4年、更なる製品開発資金が必要と考えていたところ、出資を受けているベンチャーキャピタルから「いい制度がある」と日本政策金融公庫国民生活事業の「挑戦支援融資制度」を紹介されました。さっそく、公庫を訪問し、同制度の説明を受けて「確かにこれはいい」と思い融資を申し込みました。

融資をめぐるエピソード

「挑戦支援融資制度」の特徴は、融資期間が10年と長く、元金の返済は10年後一括払いです。また、担保や保証人が不要です。しかも、「劣後特約」という契約を締結しますので、借主が万一法的倒産となった場合は、融資金の返済順位がほかのすべての債権より後順位となり、限りなく”出資”に近い融資制度といえます。これらの特徴は当社にとって非常にメリットがあると感じました。 一方で、同制度には、「経営革新計画の承認を受けていること」や「技術・ノウハウに新規性がみられること」などの要件があります。当社の製品は産総研から技術移転を受けて開発したもので、「技術・ノウハウに新規性がみられる」ことから同制度を利用することができました。 借り入れの手続きはスムーズに進み、希望どおり同制度上限の2,000万円の融資を受けることができました。産総研のバックアップがあること、売上が順調に伸びていること、事業に将来性があることなどを評価してもらえたと思っています。 当社のような研究開発型のベンチャー企業は、常に運転資金の確保が必要なケースが多い一方で、対外的な信用を得るのが難しく、資金調達が困難なことが少なくありません。したがって、担保や保証人なしで10年という長期間、資金を利用できる効果は非常に大きいと思います。

ビジネスの現状と展望

売上高は、創業してから順調に拡大してきました。ところが、5年目の2009年度は経済危機の影響で、多くの取引先が研究開発費を削減し、当社の業績も少なからず影響を受けています。 今後は、更に製品を改良し海外も視野に入れて販路を開拓していく予定です。さらに、新規事業として産総研と連携し、これまで蓄積してきた粉体に関するデータベースを整備し知的財産として販売する計画も立てています。 これらを着実に実行に移し、株式上場という目標を達成して従業員や株主に報いたいと考えています。

これから創業を目指す人へのメッセージ

私は幸い、産総研のバックアップもあり自信を持って創業することができました。しかし、これからが試練のときと認識しています。 創業しようとする人は、自分の技術や商品に自信があると思います。かつての私もそうでした。しかし、技術や商品を評価するのはあくまでもお客さまであって、自分の見込みどおりに評価されるとは限らないのです。 創業したその日から、「自社の技術や商品はすぐ収益を生むか?」「日銭を稼ぐことができるか?」「当面しのげる体力はあるか?」こうした問いを自らに投げかけてください。何が成功の基準であるかは分かりませんが、創業するよりも経営するエネルギーの方が、はるかに必要です。10年でも20年でも長く続けられ、成長できるビジネスモデルであるのか十分な検証が必要だと思います。

日本政策金融公庫 国民生活事業 担当者への質問

 融資を決めたポイントは何ですか?

研究開発に支出が先行している状態ではありましたが、製品が完成し、販売先の開拓に意欲的に取り組んでいらっしゃいました。医薬品や化粧品メーカーの研究開発部門などから需要が見込める分野で、高い技術力を有し市場をリードしていく企業であると判断しました。
「挑戦支援融資制度」は、ナノシーズ様のように、技術力を有しているものの、製品化・販売まで時間を要する企業にぜひご活用いただきたい制度です。

日本政策金融公庫 国民生活事業を活用する方法を具体的に教えてください。

日本政策金融公庫では様々な融資制度をお取り扱いしています。「挑戦支援融資制度」もその一つです。2013年3月に新しくなりました。くわしくは、最寄りの支店にお問い合わせください。全国152ヵ所にある支店では、お客さまの事業の状況、資金のお使い道などをお聞きし、ご利用いただける融資制度をご案内いたします。金利の低い融資制度や、無担保・無保証人の制度などもありますのでお気軽にご相談ください。また、ホームページでもご案内していますのでぜひご活用ください。

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