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農業研修を通じて薬莱(やくらい)を“もうひとつのふるさと”に


【NPO法人 やくらい百姓塾 代表 加藤孝志】

創業年月 2009年7月 事業内容 体験型農業研修の実施、新商品開発
利用した融資制度 新規開業資金 1,000万円 (2009年) 理事 10人

事業概要

NPO法人やくらい百姓塾は、「農作業を実際に体験してみたい」という人たちが、短期間で農業技術を身につけることができる研修を実施しています。 研修では、実験ハウスでの農作業体験と講師によるセミナーをはじめ、受講生が希望する作物を栽培し、新商品を開発することもできます。新商品は「やくらい百姓塾」ブランドとして、アンテナショップで試験販売をしながら、市場で売れる商品づくりを目指します。 研修を行う場所は、仙台市内から高速バスで1時間余りの「薬莱(やくらい)山」の麓にある、美しい自然と良質な湧き水に恵まれた地。年間100万人が訪れる「やくらいリゾート」の施設もあります。首都圏からの受講生には、この隣接するコテージなどの保養施設を利用した週末短期滞在型研修を、また、仙台圏からは通学型の平日研修に参加できるようにしています。 今後、地域住民がサポーターとなって、塾生が短期研修後も栽培や商品開発に携わる「研究生プログラム」も実施していきます。

創業の経緯

私は、米農家の後継ぎとして農業を営んでいます。どの農家も後継者不足は深刻で、農業の活性化、地元地域の活性化対策が必要だと感じました。 私は土地改良区に指定された地元、加美西部地区の理事長として、1998年頃から生活排水を自然にかえりやすいものに変えるなどの河川を守る環境保全活動、中学生の農村民泊体験学習やイベントなどのグリーン・ツーリズム推進活動を積極的に行ってきました。 その成果が認められ、2008年には「子ども農山漁村交流プロジェクト事業」の受け入れ体制モデル地区にも指定されました。 そうした活動の中で、地域活性化に貢献しようとする建設会社から、「水質の良さを活かしてわさびの栽培はできないか」と相談を受け、2005年よりわさび栽培の取り組みをスタート。ミネラル豊富できれいな水がなければ育たないわさびは、新しい特産品としてすぐに注目を集め、地元の期待を背負うことになりました。また、わさびを使っての新商品開発にも着手しました。 これらの経験から、NPO法人を設立し、農業体験を希望する人に自分たちが持つ「百姓の技」を伝授するため、「やくらい百姓塾」の開講を決意しました。この事業が、内閣府から「平成21年度地方の元気再生事業」に認定されたのです。

融資申し込みの経緯

研修を開講するにあたって、農作業体験や受講生が作物を栽培するための実験ハウスをつくる費用が必要でした。このハウスでは、トマトやいちご、葉物などを水耕栽培ができるようにしたかったのですが、水耕栽培だけで5~600万円の設備費をプラスしなければならず、最初は土栽培のみの必要最小限でスタートすることにしました。 それでも、指導講師やコンサルタントへの謝礼、ホームページの作成費などを合わせて1,000万円はかかります。 幸い、「地方の元気再生事業」に認定されていたので、東北農政局からも日本政策金融公庫の融資を受けられるのではないかと勧めていただき、1,000万円の融資を申し込みました。

融資をめぐるエピソード

実は、最初に融資の相談をした段階では「事業計画が不十分」であり、このままでは融資を受けることが困難だと指摘をされたのです。 その理由は、「NPOなのだから、あまり利益追求をしては良くない」と勝手に思いこんでしまい、事業として売上や収益性について深く考えずに計画書を提出してしまったからです。「地方の元気再生事業」の認定書さえあれば融資を受けられるものだと、すっかり勘違いをしていました。 しかし、内閣府の認定事業であることと、融資を返済できる事業であるかは別の話です。担当の方にもアドバイスをいただきながら、やくらい百姓塾が事業として継続していくよう、新商品開発や販売を具体的にどう実施するかなどを盛り込み、修正事業計画書を提出して、無事、満額融資を受けることができました。

ビジネスの現状と展望

まだ、立ち上がったばかりなので、研修を定期的に開講していくことが最優先です。現在、受講生の募集と集中開講を行っています。 受講生の自主性を尊重しながら、新商品の開発を積極的に行っていくことはもちろん、将来的には「クラインガルテン」(賃貸市民農園)にしたいと考えています。この地が、都会から来る受講生たちの「もうひとつのふるさと」となって、ともに地域づくりができることを目指しています。そこまでたどりつくことが目標であり、課題です。

これから創業を目指す人へのメッセージ

当初の私たちのように、「NPOの事業は儲からない」という前提で事業計画を立てても、「事業として継続不可能」と判断され、融資を受けることは困難です。NPOでの創業を目指すなら、「社会貢献的事業の何によって収益を上げていくのか」をきちんと明確にすることが必要です。 もうひとつ、どんな事業も創業は一人でできません。必ず協力者が必要となります。長年、私が農業体験を実施しながら感じたのは、「楽しそうに活動していると人が集まってくる」ということです。自ら楽しむのが一番。肩ひじを張って苦しそうに活動していたのでは、誰も集まってきません。 わからないことがあったら、役所の人でも日本政策金融公庫の人でも、素直に「わからないので教えてください」と頼ってしまえば、教えてもらえるものです。いろんな人の力を借りて、「頼み上手」になることが大事だと思います。

日本政策金融公庫 国民生活事業 担当者への質問

 融資を決めたポイントは何ですか?

内閣府の地方の元気再生事業として認定を受け、受注見通しは立っていました。
長年農業で培ってこられた経験と、地元地域の活性化のために取り組んでこられた実績から、実現可能な事業計画であると判断しました。
また、農業は近年注目されてはいますが、後継者問題など課題も多い分野です。このような課題解決のために、積極的に農業の活性化や地域貢献に取り組んでおられることも、やくらい百姓塾様へ支援させていただいた理由の一つです。

日本政策金融公庫 国民生活事業を活用する方法を具体的に教えてください。

日本政策金融公庫 国民生活事業では全国152支店で事業計画の作成段階から創業をお考えのみなさまのご相談をお伺いします(予約不要)。
営業時間内に窓口へのご来店が難しい方向けに、夜間相談を実施している支店もありますので、ぜひご活用ください。詳細は日本公庫のホームページをご覧下さい。

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