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第二の人生は、好きな仕事をマイペースで


【そば処 悠全 店主 高松 孝氏】 (宮城県仙台市)

創業年月 2007年9月 事業内容 そば店の経営
創業資金 1500万円(うち公庫借入 900万円) 従業者数 2人
TEL 022-399-4034

事業概要

仙台市の郊外、秋保温泉郷で「そば処 悠全」というそば店を経営しています。営業時間は11時30分から15時までですが、その日の朝に打ったそばがなくなり次第、営業は終了します。 そばにはさまざまなものがありますが、私は昔ながらのいわゆる「二八そば」が好きで、「丸抜き」という殻を完全に除去したそばの実を細かめに挽いて打っています。おすすめのメニューは、地ものの岩魚を揚げた「いわな天ざるそば」。この他にも、「鴨南蛮ざるそば」「天ざるそば」などもご用意しています。 店は竹林に囲まれ、窓から風情のある景色が眺められます。店内には、夫婦そろって大好きなジャズやブルースを静かに流し、壁には”ギターの神様”エリック・クラプトンやB.B.キングの写真を飾っています。店舗設計を手掛ける知人に相談し、私たちの好きな雰囲気を出す店づくりを行いました。

創業の経緯

創業前は、内装材メーカーで営業の仕事をしていました。40歳を過ぎたころから、リタイア後の生活を意識するようになり、何か新しいことを始めたいと思い立ちました。そして、以前から好きだったそばを打ち始めることにしたのです。仲間ができたこともあり、どんどんのめり込んでいきました。また、暇をみつけては方々のそば店を食べ歩き、そばの研究を続けました。そうしているうち「こういうそばを打ちたい」という自分の理想とするそばのイメージが明確になり、創業を意識し始めたのです。 創業の2年前頃には、打つそばが人様にお出しできる形になってきました。そして、55歳の時、子どもが大学を卒業して手がかからなくなったことを機に退職し、創業の準備を開始しました。知人が経営するそば店に1年弱、毎日通って皿洗いから一通りの作業を習得するとともに、空き時間を利用して店舗探しを行いました。 選んだのは、秋保温泉の一角にある秋保神社の裏手。竹林に囲まれるロケーションが絶妙で気に入りました。近くには、「日本の滝百選」の一つで、日本三名瀑に挙げられることもある「秋保大滝」があり、そこを訪れる観光客に利用してもらうことも計算に入れました。

融資申し込みの経緯

日本政策金融公庫は、そば打ち仲間が創業した時にお世話になったと聞き、自分も利用しようと考えました。支店の融資相談窓口で融資制度や限度額を教えてもらいました。自己資金の金額や店の規模などを勘案し、どれぐらいの資金計画になるかを計算しました。そうして必要額の900万円を申し込んだところ、スムーズに認めてもらえました。

融資をめぐるエピソード

事業計画づくりは、先輩の事例およびアドバイスを参考にしました。飲食店の売り上げ計画は、席数×回転数で算出します。その先輩からは、「ある程度の収益を上げるには、1日3回転させなければならない」と言われましたが、彼は私のような「第二の人生」でマイペースに、という感じではなく、高い売り上げを追求していました。その働き方を見ると、「自分はちょっとそこまでは……」と思えるくらいハードなもの。ならば、最初から3回転させる必要のない計画にしようと考えました。そして、夫婦二人だけでこなせる席数を20と割り出し、平日は1回転半、休日は少しがんばって2回転と設定しました。つまり、平日に打つそばは30食、休日は40食ということになります。 この事業計画を、公庫の担当者は「もう少しいけると思いますが、堅実ですね」と評価してくれました。「会社員として30年、一度も転職せず、しっかりした生活設計をされていますね」とも。うれしかったですね。

ビジネスの現状と展望

創業時は、宣伝などはまったく行いませんでした。雑誌の取材もお断りしたくらいです。慣れるまでは、一度に多くのお客さまに来ていただけても満足に対応できるとは思えませんでしたから。ですが、次第に地元の方々の間に口コミで広まり、おかげさまで創業以来、計画を上回るお客さまに来店していただき、3年間、業績は少しずつですが右肩上がりの状態が続いています。しかし、現状に満足しているわけではありません。つゆの味などにまだ勉強不足を感じており、引き続き納得できるものを追求していきます。 そばは、打ってから時間が経つと風味が変わります。翌日に持ち越すことは絶対にしません。手打ちでは70食が限界で、それ以上のお客さまを迎えるには機械でそばを打ったり、スタッフを増員したりしないと回せません。しかし私は、あくまでも「第二の人生」を好きなそば打ちの仕事で夫婦二人、マイペースで送りたいと考えており、この調子でつつがなく営業を続けていければいいと思っています。 いずれ余裕ができれば、一般の方を対象にして「そば打ち教室」を開き、この店をサロンにして仲間づくりもしていければいいと考えています。

これから創業を目指す人へのメッセージ

創業することはできても、続けることはそう簡単ではないかもしれません。これは公庫の担当者にも指摘されたことですが、「これぐらい返済しなければならないから、これくらい来客してもらう」という計画のつくり方では無理が生じます。そうではなく、自分がどれぐらいやりたいのか、やれるのかという尺度で計画をつくることが大切だと思います。 何もかも、責任は自分にかかってきます。自分の体力や精神力をよく考えて、計画を立ててください。

日本政策金融公庫 国民生活事業 担当者への質問

 融資を決めたポイントは何ですか?

趣味が高じて始められたそば打ちですが、会社に勤めながら腕を磨いて技術力を身に付けられていました。また、希望退職後はそば店で修業し、店舗経営についても学ばれるなど、事業を営む基盤を十分備えられていました。 さらに、収支計画も堅実で、ご夫婦で力を合わせれば十分にご商売を続けていけると判断しました。

日本政策金融公庫 国民生活事業を活用する方法を具体的に教えて下さい。

公庫のお取引先には、高松様のように、第二の人生として持ち前の知識や経験を生かして創業される方もたくさんいらっしゃいます。55歳以上で創業される方向けの融資制度「女性、若者/シニア起業家資金」は、通常よりも低い金利でご融資が可能です。また、夜間や土曜・日曜にも創業相談を承っていますので、勤めながら創業の準備をされる方などに是非ご活用いただきたいと思います。