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トレーディングカードゲームの可能性に賭ける


株式会社ブシロード 代表取締役社長 木谷高明氏

創業年月 2007年5月 事業内容 トレーディングカードゲームの開発・販売ほか
資本金 9950万円 利用した融資制度 新規開業資金 1000万円(2007年)
従業員数 93人 URL http://bushiroad.com/

事業概要

当社は、トレーディングカードゲーム(TCG)専業メーカーとして創業しました。トレーディングカードとは、「ポケモンカード」のように、アニメなどのキャラクターと、ゲームに用いる能力値や効果などの情報が印刷されたカードで、TCGはこれを用いて複数のプレイヤーが対戦するゲームのことをいいます。 当社の代表作には、『エヴァンゲリヲン』など人気のゲームソフトやアニメーションのキャラクターの版権を購入し制作した『ヴァイスシュヴァルツ』や、オリジナルの『ヴァンガード』などのタイトルがあります。後者は、TCGだけでなく、コミックやTVアニメーションも展開しています。 TCGのビジネスは、よく「紙幣を印刷するようなもので、簡単だ」と揶揄されますが、そんな単純な話ではありません。3年後に没落する国の紙幣など誰も持ちたがらないのと同様、TCGもプレイヤー人口が増えると思われるものでなければ売れないのです。そして、支持されるTCGを制作するためには、一定のルールの基に、各要素を緻密に設計する必要があります。発表作品が増えるたびに、カードに記載する文言の定義が変わっていては、プレイヤーが混乱してしまいますし、同種のカードが偏って店頭に並んでしまうと、カードを集める醍醐味が薄れてしまいます。ですから、当社の開発チームは、国語と数学の確率論の知識を駆使しています。こうした専門的なノウハウが参入障壁となり、目下、日本の大手TCGメーカーは当社を含めて4社にとどまっており、適度な競争状態となっています。

創業の経緯

「ブシロード」の創業は、私にとって2社目となります。1社目は、1994年に証券会社を早期退職して創業したコミック関連の会社です。コミックが好きだったこと、学生時代からいずれは何か自分でやりたいと考えていたこと、会社の将来性に疑問を感じたことから、独立を決意しました。独立後、1社目を退社するまでの13年間は成功と失敗の繰り返しでした。7年半で上場にこぎつけましたが、その後、四期連続赤字を出しました。この経験から経営の勘所のようなものは身につけ、黒字化達成後TCGの可能性を確信したことから、心機一転、4人の仲間とTCGに特化した「ブシロード」を創業することにしたのです。 第1作目の『ヴァイスシュヴァルツ』はうれしい誤算でした。どんなに売れても出荷ベースで15億円ぐらいだろうと考えていたところ、3年目は29億円も売れたのです。従来のTCGとは違い、「プレイヤーが、好きなカードでいつでも参加できる」という新しい要素を加えたことで、TCGマニアではない人でも参加しやすくなったところがヒットの要因であると見ています。

融資申し込みの経緯

創業資金9000万円のうち、まず6000万円を自分で用意しました。うち2000万円は自己資金で、4000万円は友人、知人から出資を仰いで集めたお金です。業界内の人ばかりでしたが、事業プランを必死に説明することもなく、私の信用だけで出資してもらえました。その後3倍の値段で買い戻したので、彼らにお返しはできたかなと思っています。 それ以外の3000万円は、日本政策金融公庫から1000万円、民間金融機関から2000万円の融資を受けました。資金の主な用途は、カードの印刷などの製作費と広告宣伝費です。子供向けのTCGの場合、親が購入するケースがほとんどで、親は自分が知らないものにお金を出しませんし、子供は目の前に出てきたものに影響されやすいという側面があるので、広告宣伝は積極的に行いました。

融資をめぐるエピソード

1社目で最初に融資を受けた際は、自己資金を2000万円ほど用意したということもあったとは思いますが、1000万円申し込み、700万円ほど借りることができました。 自分の考えた、他人にはわかりにくいビジネスについて、公庫の担当者が熱心に話を聞いてくれたことが強く印象に残っています。初めてお金を借りるということもあり、不安な気持ちもありましたが、話を聞いてもらい、融資までしてもらえたことで、自信になりました。 最初に受けた融資で、公庫に良い印象を持っていたので、2度目の創業の時も申し込みをすることにしました。事業計画やアイデアについては、自分の頭の中に浮かんだものを計画書に書き出しました。1社目を上場させたという実績もあり、希望どおりに借りることが出来ました。

ビジネスの現状と展望

年商は、2007年度3.6億円、2008年度25億円、2009年度33億円、2010年度64億円と伸びており、2011年度は100億円に届くと見ています。 ビジネスのポイントは、キャラクターの版権をいかに取得するかということと、当てた商品をさらにどう展開していくかということ。同じ商品を売ったほうが粗利益は高いですから。また、商品をヒットさせるには、広告宣伝費などの資金を思い切って投じることが必要です。資金をかけたプロジェクトは必死になるから成功する確率も高いように思います。私の経験上、中途半端なプロジェクトだと、それがファンに伝わり、実績も上がりません。 経営を行う上で、自分でチェックしている数字は、売上、原価・経費、営業利益、在庫の4つです。売上は64億円ある中、商品在庫は2億円程度しかありません。3カ月で償却し、売れ行きの芳しくないものはすぐ見切るようにしているからです。また、支払いより先に入金となるように、最初に取引先と交渉したことも、経営にいいリズムをもたらしていると思います。 今後は、スマートフォンのアプリとしてのゲーム開発や海外展開などに大々的に取り組んでいきたいと考えています。

これから創業を目指す人へのメッセージ

成功する上で、失敗することも貴重な経験だと思います。うまくいくといろんなことをやろうとしますが、利益率が下がったり、手が回らなくなって失敗することも多いでしょう。けれども、少し鼻が高くなったところで失敗すると、自分の弱点がよくわかりますし、自分に向いていることに絞ろうとします。そうやって強くなっていくのではないかと思います。 それから、サラリーマンのアドバイスを聞いてもあまり役立たないと思います。アドバイスをもとめるなら、実際に悩みながら会社を動かしている経営者に尋ねるべきですね。

日本政策金融公庫 国民生活事業 担当者への質問

 融資を決めたポイントは何ですか?

木谷さまのビジネスは、飲食業や、小売業とは異なり、予測が立てにくいものでした。しかし、アニメに詳しくない担当者が理解できるよう、一生懸命ビジネスモデルや競合他社について説明してくれたのと同時に、独立のための資金をこつこつと貯めてこられた真面目な姿に、好感が持てました。何があっても成功する、という強い気概が感じられたのも大きかったですね。

日本政策金融公庫 国民生活事業を活用する方法を具体的に教えて下さい。

木谷さまのように、1度公庫をご利用いただいた後、別の事業を立ち上げる際に、再度利用していただくことも可能です。ご返済途中であっても、追加融資の検討も行っています。この時に、大切なのは、ご返済状況が良好であることと、お使い道を明確にしていただくことです。逆に、1度目は融資に至らなかったものの、その後、再度計画を練り直し、その後融資に至るケースもあります。創業融資のご不明点は、最寄りの支店までお問い合わせください。
フリーダイヤルはこちら 0120-154-505